国産事業

大田原市の唐辛子畑の様子(1962年)

大田原市の唐辛子畑の様子(1962年)

国産唐辛子と吉岡食品

吉岡源四郎 肖像画

吉岡源四郎 肖像画

吉岡食品と国産唐辛子事業には、創業からの深い関係があります。
大正12年、初代吉岡源四郎が、唐辛子製品の製造販売を東京で始めたことから、吉岡食品工業は生まれました。
その商売の中、原料調達の一環として、北関東地方における唐辛子の契約栽培の開発に着手したことが、今日、当社が栃木県に本拠地を構える切っ掛けとなりました。

その後、昭和30年、吉岡源四郎は、栃木改良三鷹(通称:栃木三鷹)の品種開発に成功しました。海外でも人気を博したこの品種は、貿易輸出品として戦後日本の高度経済成長の一翼を担うこととなりました。
栃木県大田原市が、日本の唐辛子生産の中心地となっていた時代があったのです。

近代化が進むにつれ、主たる栽培拠点は海外に移行することとなり、現在、国内消費の唐辛子のほとんどは、中国産になっています。

大田原ととうがらし

国産唐辛子の復権を

地元大田原が進める町おこし事業「大田原とうがらしの郷づくり推進協議会」が2005年発足し、地域の小中学校を訪問しての唐辛子栽培、七味唐辛子づくり体験指導を行うなど、理解推進事業に努めています。また、唐辛子を使った商品開発も地元商店街を中心にすすめられ、さんたから揚げ、とんがらしラーメン、唐辛子餃子、唐辛子羊羹など大田原の新名物として人気を集めております。

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生産者数も順調に増加してきており、唐辛子協議会の発足当時5軒だった生産者は2019年には189軒になっております。
生産量も2014年4トンだったものが2019年には26トンになっております。
農林水産省発表の地域特産野菜生産状況調査のデータから「大田原 唐辛子生産量日本一宣言」をさせていただきました。
1960年代全国トップを誇った大田原の唐辛子生産量には届かないものの、再び日本一の座を取り戻すことができました。

とうがらしの郷 大田原

農業体験 唐辛子編

栃木三鷹

唐辛子は、他品種との交配が容易な植物で、裏を返せば、品種の特徴を次世代、次々世代へと保っていくことが難しい植物でもあります。吉岡食品では、開発以来、徹底した種子管理の元、信頼できる栽培者と契約を結び、大事に大事に栃木三鷹を育てて参りました。

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栃木三鷹の特徴

  • 辛味 … キレのある、鮮烈な辛味。辛いもの好きな方にもご満足いただけます
  • 香り … 唐辛子の良い香りは、時に薔薇の芳香に例えられます、鼻腔を刺激し、食欲を大きく増進させます
  • … これぞまさに唐辛子、という深い真紅の色合いです、粉製品に加工しても、鮮やかな紅色を保ち続けます

A社の一味唐辛子を基準に旨味と苦みを分析結果

A社の一味唐辛子を基準に旨味と苦みを分析結果

栃木三鷹を使った一味には、旨味が多く含まれていることが確認できます。
激辛の唐辛子ではないですが辛味と旨味のバランスの取れた唐辛子です。

吉岡食品の国産唐辛子

吉岡食品の国産唐辛子

「安心・安全な食品を!」というニーズは、ますます高まってきています。輸入食品に関するトラブルも、近年、とみに増えてきており、それに伴って、国産の食品が見直され、脚光を浴びるようになりました。
吉岡食品では、唐辛子を「畑から食卓まで」お届けすることが、私たちの使命だと考えております。
契約栽培による生産者の顔の見える栽培、生産者一人一人への栽培のサポート、栽培履歴・農薬管理の徹底、生産者ごとに管理された原料の保管、密閉式焙煎機によるおいしい製品の製造により安心・安全な唐辛子をお届けいたします。
栃木三鷹だけでなく、用途に合った多種の唐辛子がございますのでお申し付けください。

生産者さんの声

生産者さんの声

大田原は昔から唐辛子文化が根付いている土地。自分の親世代も昔は作っていたし、今の生産者のほとんどがそうなのではないか。生産量日本一になったのはとても嬉しく、長く作ってきてよかったと思う。唐辛子は育苗と乾燥のハウスさえあれば投資や経費は少なく済み、冬場の農閑期にはとても良い作物。契約栽培で全量買い取りなので安心して栽培できるところも良い。なにより生産者同士で輪が広がり、仲間が増え、助け合っていけることが一番の楽しみかもしれない。毎年豊作だとありがたいんだけど、そういかないところも農業の面白いところ。毎年勉強ですね。

次世代の唐辛子生産に向けて

唐辛子作りは、大田原市が最盛期であった昭和30年代から、ほとんど変わらない手順で栽培しているのが現状です。今後ますますの加速が予想される少子高齢化に伴い、既存の栽培方法では、衰退していくことは明らかだと考えています。
吉岡食品では、栽培の機械化の試みや、教育機関との共同研究による品種改良や、新しい栽培用機械の開発など、過去のやり方にとらわれず、新しい時代の栽培方法を常に模索しています。

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